レコードを買い続けてしまう人のブログ。
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

サン・ラー伝〜土星から来た大音楽家|JOHN F. SZWED (書籍)
サン・ラー伝〜土星から来た大音楽家|JOHN F. SZWED

右のカテゴリーに「番外編|ジャズの書籍」を追加してみました。批評本、ジャケット集、ディスコグラフィーなどが好きで、ついつい買ってしまいます。ちらっと中を覗いて購入したモノ、装丁の美しさに惹かれたモノ、執筆者とタイトルだけで迷わず財布を取り出したモノ。

何かの巡り合わせで私の手元に舞い降りたジャズの書籍たち。いつの間にか増えてしまい、引っ越しの度に減らそうかと迷うのだけれど、なかなか手放せない...。このカテゴリーでは、そんなお気に入り本をご紹介していきたいと思っています。

最近入手したのは、ジョン・F・スウェッド著「サン・ラー伝」。類稀な音楽家、サン・ラーの生涯を描いた唯一の伝記です。サン・ラーは文字通り正体不明のジャズ・ピアニスト。謎に包まれた彼の素性を知る手がかりが、本書には記されていたのですが...。

発売は2004年。書店で見かける度に「買おうかな?どうしようかな?」と迷っていた一冊。定価がやや高く、又、目先のレコードを優先してしまう性格上、入手が随分と遅れてしまいました。しかしながら、ここ最近の私のなかではサン・ラー探求活動が盛り上がってきているので、まあ、ナイス・タイミングで購入できたかなと思っています。

著者のジョン・F・スウェッド氏は米国コネチカット州ニューヘイブン市に本部を置くイェール大」の教授。専攻は、人類学、アフリカ、アフリカン・アメリカン研究、そして音楽。学者ならではの視点と分析もさることながら、サン・ラーに対する情熱、謎を解明しようと試みた探究心が文面から滲み出ています。

ジャズ・ミュージシャンの伝記としては比較的ボリュームがあり、監修者のあとがき、付録のディスコグラフィーを含めると403ページ。全体の構成は、サン・ラーの生涯を黒人社会の時代背景と重ね合わせながら順序立てて追った全六章から成り立っています。

【第一章】世界が暗黒だった頃
【第二章】サン・ラー"出現"
【第三章】知らないことのすべてを演奏せよ
【第四章】サン・ラーのニューヨーク
【第五章】あらゆる場所に音楽がある
【第六章】行く手を照らす音楽がなければ

本書には、サン・ラーが残した奇妙な発言が数多く記されていました。それらの大半からは、宗教的な思想、人々を洗脳しようとする試み、未来を見透かしているような不気味なメッセージ性を感じました。彼の生い立ちから死に至るまでを読み終えたにも関わらず、私は、サン・ラーを「理解する」には至りませんでした。それどころか、見通しの悪い「何か」に包み込まれてしまった、そんな感覚が残っています。

本書の帯には次のようなコピーがあります。「天才?聖者?妄想家?予言者?それとも、大ぼら吹き?」。サン・ラーとはいったい何者だったのでしょう。ジョン・F・スウェッド氏は彼のことを理解できたのでしょうか。本書との出会いによって、私のサン・ラー探求活動は迷宮入りしてしまったかもしれません。

私はこれからも、サン・ラーを追い求めていくことになりそうです。本書を片手に、恐らく、終わることのない探求活動を続けていくでしょう。彼の謎を少しでも解明する為に...。という感じで、ちょぴり高いけど、サン・ラーに興味のある方だったらたっぷり楽しめる一冊だと思います。装丁も抜群にイケてるしね。

サン・ラー伝〜土星から来た大音楽家|JOHN F. SZWED (amazonで購入できます)

著者:ジョン・F・スウェッド
監修:湯浅学
訳者:湯浅恵子
出版:河出書房新書
単行本:403ページ
発売日:2004年7月30日
定価:6,200円(税別)
スポンサーサイト
comment









trackback URL
http://diglog.jugem.jp/trackback/26
trackback