レコードを買い続けてしまう人のブログ。
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NORMAN CONNORS|LOVE FROM THE SUN


ディー・ディー・ブリッジウォーター(vo)のライブに行ってきました。昨年に続き二年連続の来日。今年はビリー・ホリディ没後50年ということで、公演タイトルはズバリ『To Billy with Love - A Celebration of Lady Day -』。

今回は二カ所にて公演が行われるとのこと。まずはブルーノート東京に2009/11/23(月)から三日間。そして、コットンクラブに11/27(金)から二日間。私はブルーノート公演初日のセカンド・セットに向かいました。



午後8時、ブルーノートに到着。エントランスには既に多くのファンが詰めかけ、今か今かと開場を待ちわびていた。私の整理番号は「21」だ。自由席はステージに近い場所から埋まっていく。番号的に「今日はサイド席かな…」と思っていたのだが、運良く最前列右端のテーブルが空いていた。正面にサックス奏者とドラマー、左手前方にディー・ディーが登場する。なかなかナイスなテーブルを確保することができた。

ライブ前の食事もブルーノートの楽しみ。同行した知人と共にオーダーしたのは『本日のパスタ』『和牛もも肉のタルタル・塩漬け卵と根セロリのクネル添え・トリュフのヴィネグレット』『小イカのフリット』。どの料理も美味しかったのだが、特に『和牛もも肉』が印象的。存在感の強い肉の旨味に濃厚なソース類が絡み合い、それらが口のなかに充満して思わず笑みがこぼれた。

ブルーノートの料理は「ワインによく合う」ということを再確認した。と同時に「こんな料理を毎日食べていたらダメ人間になる」とも思った。時々だから、美味しいと感じる。たまにだから、楽しいのだ。



8時45分、場内がすっと暗くなり、スポットライトがステージを照らし出した。いよいよ開演だ。まずはディー・ディーのバックを務めるメンバーが登場。クレイグ・ハンディ(ts, ss, fl)、エドセル・ゴメス(p)、アイラ・コールマン(b)、ブルース・コックス(ds)のカルテットだ。

いつもそうなのだが、メンバーが登場し、楽器を手に取り、合図を送り、演奏が始まるまでの短い時間というのは期待と興奮と不安が混ざり合っている。さあ、今日はアタリだろうか。楽しませてくれるのだろうか。それとも、残念ながらイマイチだろうか。ステージはリラックスした雰囲気だ。メンバーが笑顔を交わし合う。一瞬の静けさと共に緊張が走り、ついにライブが始まった。うん、今日はきっとアタリだ。

開始直後、場内が歓声と拍手でどよめいた。振り返ると、おぉ、ディー・ディーだ。ステージに上がった彼女は想像していたよりも大柄だった。坊主頭が格好いい。大人っぽいフリルの付いた黒のワンピース。さらりとしたシースルーのトップス。胸元にはゴージャズなアクセサリー。足元は光沢のある黒いピンヒール。そして、真っ赤な口紅。エレガントなスタイルだ。

DEE DEE BRIDGEWATER (1950-:ジャズシンガー)

「ドント・エクスプレイン」「ゼム・ゼア・アイズ」「奇妙な果実」「オール・オブ・ミー」…レパートリーはもちろんビリー・ホリディの代表曲。スインギーなナンバーではハスキーな歌声が耳に突き刺さる。バラードにおいては彼女の魂が真っ直ぐに伝わってくる。声域は決して広くはないのだろうが、力強く、太く、たくましい。ダイレクトに響く歌声に圧倒された。

とても満足度の高いライブでした。CDやレコードで聴くディー・ディーも良いけれど、目の前で熱唱する彼女はひと味もふた味も素晴らしかった。「ジャズをとことん楽しんでいる」そう感じる充実した公演内容。都合のつく方は是非、足を運んでみては。きっと素敵なひとときを過ごすことができるはず…。

DEE DEE BRIDGEWATER "To Billie With Love" - A Celebration of Lady Day -
[BLUE NOTE TOKYO]
2009/11/23(mon) to 11/25(wed) Showtimes:19:00 & 21:30
[COTTON CLUB]
2009/11/27(fri) & 11/28(sat) Showtimes:19:00 & 21:30

という訳で、本日はディー・ディーの代表作『アフロ・ブルー』をご紹介させて頂こうと思い…あれ?あれあれ?レコード棚を念入りに調査したのですが、一向に見つかりません。売っちゃった?マジかよぉぉぉぉぉ。

ここまで書いておきながら、ソニー・ロリンズとかアルバート・アイラー紹介してもビミョーだよねぇ…。あ、別のがありました。リーダー作じゃないけど、彼女がこっそり参加しているノーマン・コナーズ(ds)のブッダ盤『ラヴ・フロム・ザ・サン』。ん?そういえば、以前ご紹介したコレにもディー・ディー入ってたね。

さてさて、本作はいかにも70年代らしいブラック・ジャズ好内容盤。エディ・ヘンダーソン(tp)、ゲイリー・バーツ(as, ss)、カルロス・ガーネット(ts, ss)、ハービー・ハンコック(p, el-p)、バスター・ウィリアムス(b)…メンツもかなり豪華。ディー・ディーはA1、B1、B3のみの参加ですが存在感は充分。



A1「リベレーション」。まずはハンコックのオリジナル。エレピとフルートが醸し出す妖艶なイントロに続き、ホーン・アンサンブルが穏やかな旋律を奏で始める。ディー・ディーがユニゾンで加わると、演奏全体から神秘的な雰囲気が溢れ出す。まるで体がふわりふわりと浮き上がるような一曲。

A2「カルロスII」。A1とほぼ同一テンポのミディアム・ナンバー。ガーネットのオリジナルだ。ハンコックの代表曲「処女航海」を思い起こさせる雄大な旋律が心地よい。ヘンダーソン(tp)、ガーネット(ss)、ハンコック(el-p)が幻想的なソロを展開する。乾いた音色のコンガがそっと寄り添い、心地よさを際立たせている。

A3「ドラムス・アラウンド・ザ・ワールド」。一転、アフリカの大地を連想させる土着的なナンバーへと展開。コナーズのオリジナルだ。ドラム、コンガ、ボンゴ、カウベル…重層化した複数のパーカッションが緩急をつけながらとぐろを巻くように鳴り響く。フルート、カリンバ、ゴング、メンバーの叫ぶような歌声…それらがリズムと混じり合い、一体となって押し寄せ、思わず圧倒される。

B1「ラヴ・フロム・ザ・サン」。再び、浮遊感のある幻想的なナンバーへ。ディー・ディーのボーカルが全面的にフィーチャーされた緩やかなミディアム・スローだ。彼女は演奏に身を任せ、豊かな歌声を響き渡らせる。神秘的であり、包容力に溢れ、穏やかで、雄大で、優しい歌声。地平線に消えゆくオレンジ色の夕日...美しい光景が目に浮かぶ一曲。

B2「Kumakucha」。本作で最も爽快感あふれるナンバー。徐々に徐々に、じわりじわりと押し寄せてくるブラック・フィーリング。同年代のバーツやガーネットの作品にも通じる雰囲気だ。ラヴ・アンド・ピース。まさにそんな一曲。管楽器のアレンジが抜群にカッコイイ。

B3「ホーリー・ウォーターズ」。ラストはガーネットのオリジナル。再びディー・ディーの登場だ。フロント陣が壮大なアンサンブルで高揚感を煽り、彼女のボーカルがテーマを彩る。ビブラートをたっぷりと響かせ、伸びやかに雄大に歌い上げる。特に、中域から高域にかけて段階的に上昇していく歌声に思わず背筋がゾクッとした。ガーネット(ss)、ハンコック(p)のソロもビューティフル。ラストにふさわしい秀逸なナンバーだ。

とまあ、こんな感じの作品です。70年代のジャズがお好きな方に大推薦の一枚。メンツが良いですね。スピリチュアル系ジャズメン総動員♪って感じ。特に、B3ではディー・ディーの歌声を存分に楽しむことができます。彼女のファンの方は是非聴いてみてください。ではでは、また次回。


NORMAN CONNORS|LOVE FROM THE SUN (You Tubeで試聴できます)

Eddie Henderson(tp) Gary Bartz(as, ss) Carlos Garnett(ts, ss) Hubert Laws(fl) Herbie Hancock(p, el-p, fender rhodes) Onaje Allan Gumbs(el-p, fender rhodes) Buster Williams(b) Norman Connors(ds) Bill Summers, Kenneth Nash(per) *Dee Dee Bridgewater(vo)
1973年10月録音

SIDE A
*Revelation
Carlos II
Drums Around The World

SIDE B
*Love From The Sun
Kumakucha(The Sun Has Risen)
*Holy Waters

vinyl details
BUDDAH (BDS-5142)・STEREO・DOUBLE JACKET